「何をやっても上手く行かない。」
「どこの職場に行っても、いつも同じ。」
そう思ったこと、ありませんか?
この本は、そういった方の何かを変えられるきっかけになるかもしれない。
そんな一冊だと私は思います。
著者は公認心理師の佐藤恵美さん。
「自分自身が生きやすくなること」を目的として、具体例を交えた発達障害特性の分析方法や対策、他者への説明方法などが記されています。
私としては、特に「発達障害に悩む人が自身の特性を理解すること」に焦点を当てているような気がしました。

実際読んでみて、「ためになった!」と思った所を紹介して行きたいと思います!
なお、この本でメインとして語られる発達障害とは、以下の症状です。
- 自閉症スペクトラム
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
※LD(学習障害)など他の症例の特性については、ここでは語られていないとの事です。
発達障害「あるある」の原因・対策が丁寧に記されている
私自身、身に覚えがありすぎる症例が数々出てきます。
- 曖昧な指示に対応できない。
例:上司「ざっとラフな案作って。」 - 「時間をかけすぎ」「きちんと調べて」「細かすぎる」「簡略化しすぎ」
などと言われ、仕事の精度がわからない。 - 提出した成果物が「そもそもそうじゃなくて…」と言われる。
- 説明が伝わらず、「主語がない」「話が長く、状況がわからない」と言われる。
まだまだありますが、実際の症例・相談内容から来たと思われるかなりリアルな内容となっています。
もちろん、「あるある」で終わらず原因と対策についてもしっかり掘り下げられています。

上の箇条書きは、特に私が身に覚えのあるものを厳選しております。
先天的な特性・後天的な特性を分けて考える
私がこの本で一番重要だと思った所です。
先天的な特性とは、所謂発達障害の特性です。
ずっと付き合って行かなければならないもので、主に以下のような特性です。
- 質・程度・度合等の曖昧な物を把握できない。
- 要点の整理や統合が苦手。
- こだわりが強い。
- 短期記憶が苦手。
- ちょっとした刺激で注意が逸れてしまう。
(注意の転動性) - 考える前に行動してしまう。
(衝動性) - 集中していると周りが見えなくなる。
(過集中)

私は、特に「こだわりが強い」です。
一つの選択肢への執着がすごく、他の手段を検討しません…
他人に提案されても、ムッとする事があります。
後天的な特性とは、失敗経験やストレスの蓄積により身についてしまう特性です。
これは本来無かった特性であり、無くしていける可能性があります。
- 不安・焦り・恐れによるパニック・思考停止。
→失敗経験の蓄積が原因。 - 自分や周囲への怒り。
→ストレスの蓄積が原因。 - 被害意識の強まり。
→ストレスの蓄積+「こだわりが強い」特性が原因。

私は、過去に「怒り」「被害意識」を強く感じました。
「あの人の指示が曖昧だから、私が辛いんだ!憎い!」←周囲への怒り
「笑い声が聞こえる…きっと私の事を笑っているんだ…」←被害意識の強まり
これらの特性を見て、一番重要な事は
「後天的な特性を、先天的な特性(障害特性)と間違えない事」です。
本当はできることさえも、「私は障害で出来ないんだ…」と思い込む必要はありません。
それは本来のあなたは出来た事なんです。
小さな成功経験を積み重ねて大切にしたり、たっぷり寝たり、自分の好きな事をしてリラックス出来れば、出来ていく事なんです。
ただし、先天的な特性への対策をしなければ再発するのも事実。
思い返せば私自身、長期の休みを頂いてリスタートしたとしても、先天的な特性から再び失敗経験とストレスが積み重なっていくことで、同じことを繰り返すこともありました。
しかし今の部署に配属され、先天的な特性があまり気にならなくなってからは、徐々に後天的な特性は薄まっていった気がします。
特性への対策については、表現を間違えると取り返しがつきませんので、実際の本を読んで頂いた方がいいと思います。
カウンセリングは受け身でいいと思っていませんか?
私は、嘗て受けるだけで何かが変わるものだと思っておりました…
著者曰く、大切なのは
『「カウンセラーが何かいい事をしてくれるはず」という受け身のカウンセリングではなく、カウンセラーとともに一緒に考え、自分にとって意義のある機会にするために能動的に利用すること』
とのこと。
記載されている具体的な手順の中でも、私は
『自分や他者の言いたいことを翻訳してもらう』
という手順が、一番大事だと思いました。

健常者の方は、私の事が解りません。
私も、健常者の方の事が解りません。
両方を理解できる方に通訳してもらいましょう。
そのためには自分の見ている世界を伝える能動的な姿勢が必要だと思います。
カウンセリングを受ける際は、受け身にならないようにしましょう。
おわりに
本記事は、当事者目線でレビューを書きましたが
部下が発達障害かも?と思っている管理職・同僚の方にもためになる内容かもしれません。
「何を考えているかわからない部下」のヒントになると思います。
また、ここでは書ききれなかった事もたくさんあります。
- 自分の心を助ける方法
- 判断への不安を軽くするためには
- 怒りをコントロールするには
- 職場の「暗黙の了解」を言葉にすると?
- 言葉ではない表現について
などなど…
今回は私に刺さった箇所を抜き出しましたが、刺さる箇所は人によって違うはずです。
ぜひ一度読んで見て、自分を知るきっかけにして頂けると幸いです。

「他の人が当たり前に出来る事が出来ない…」
と悩んでいる方には、オススメです。
以上です。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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