名著『チーズはどこへ消えた?』に学ぶ、変化に対する考え方

who-moved-my-cheese-review レビュー

「環境を変えたい!でも怖い・・・」
「今の仕事に飽きた!でも転職怖い・・・」

そんな方にオススメの本です。
この本を読めば、こんな事を学べます。

  • 変化についてどう向き合うべきか。
  • 変化を恐れる事で起きる不幸。

『チーズってなに?例えなんて使わないでわかりやすく言ってよ!』

そんな声が聞こえてきそうですが、私は物語だからこそ2800万部を超えるベストセラーになり、世界中に影響を与えているのだと思います。

じょう
じょう

本書の主張は、本当にシンプルです。

そして主人公の成長に合わせて読者も成長できる物語となっております。

おかげで私もスッと入って来ました。

著者はスペンサー・ジョンソン氏。
ハーバード大学医学部卒であり、様々な大学や研究機関の顧問を務め、本書「チーズはどこへ消えた?」で全米ビジネス書ベストセラー1位を獲得した心理学者の方です。

この本では、人間は四種類に分けられています。

  1. 変化を素早く察知して行動する人間
  2. 変化に行動を持って対応する人間
  3. 変化を恐れ、行動せず不幸になる人間
  4. 変化への恐怖を克服して、前に進む人間

自分がどこに当てはまるか、どうなりたいか、考えながら本記事を読んだ頂けるとより楽しめると思います。

では各ポイントを解説して行きます。
本記事は、私の主観を存分に含んでおります。
 またネタバレ要素を多く含みます
 本書を読まれる予定がある方は、そっとブラウザバックをお願いいたします。

あらすじ

本書の登場人物は、以下4名です。

  • ネズミのスニッフ:単純で鼻が利く。
  • ネズミのスカリー:単純で行動力に優れる。
  • 小人のヘム   :複雑な考えで保守的。
  • 小人のホー   :複雑な考えで保守的。
             しかし勇気を持つ。

『彼らは、大好物のチーズが手に入る迷路を毎日探索していました。

 ある日、彼らは迷路内のとある一室で大量のチーズを発見します。

 その一室を見つけてからというもの、足繫あししげく通い毎日お腹いっぱいのチーズを食べていると・・・』

というお話です。
勘のいい人は気づいたかもしれませんが、チーズは「皆さんの欲しい物」の例えです。

著者は、「人生で求めるもの」と言っています。
財産・地位・名誉・愛情と様々ですが、その人にとって一番求めるものです。

チーズをずっとお腹いっぱい食べ続けるには、どうしたら良いか見ていきましょう。

変化は起きる。チーズは常に持っていかれ、消える。※ネタバレ有

『お腹いっぱい食べても無くならないほど大量のチーズが置かれた部屋へ通う毎日。

 スニッフとスカリーは、食べる前に毎回欠かさず辺りの様子を調べ、変化を観察していました。
 ヘムとホーは、いつの日かチーズがある事が当たり前になり、次第に「自分たちの物だ」と考えるようになりました。

 そしてある日、チーズは無くなります。

 スニッフとスカリーは、少なくなっていた事を知っていたので違う場所へ探しに行きました。
 ホーは立ち尽くし、ヘムは叫びます。

 「チーズはどこへ消えた!?」』

じょう
じょう

いやそりゃ食べてりゃ無くなるでしょうよ・・・

そう思う方もいらっしゃるでしょうが、実際今のやり方がずっと通用すると思っている人は結構多いのではないかと思います。

  • 「専門的なスキルは無いけど、大企業だしずっと雇い続けてくれるでしょ」
  • 「Office365?何それ怖い・・・エクセルってCDで入れるんじゃないの?」
  • 「ぴーでーえふってなんだ!会議資料は紙で出せ!常識だろ!」

残念ながらこういった人たちは、不幸になって行きます。
チーズ(仕事)が無くなってから気づくからです。

さらにヘムくんは、名言を残しています。

チーズがなくなったのは、我々の所為せいじゃない。
 誰か他の者の所為せいだから、我々がこうなった事で何か貰うべきだ。

気持ちがいいくらいに腐っています。
当然、ヘムくんの状況は、この後も良くなる事はありません。

でもこんな事、思った事ありませんか

  • 仕事が無くなるなんて事が起きたら、雇用対策を怠った政治が悪いんだ。
     国が補償しろ!
  • 私が貧乏なのは、金持ちが良い思いをしているからだ。
     もっと税金払え!

私たちは多かれ少なかれ、心の中にヘムが居ます。

変化を恐れ、足踏みを続けても一度無くなったチーズは戻って来ません。

変わらなければ、破滅することになります

変化にすばやく適応せよ※ネタバレ有

『延々と同じ部屋に留まり続け、チーズを待ち続けるヘムとホー。

 不意にホーは、自分のやっている事をおかしく思いました。

 「ホー、お前は何をしているんだ。
  繰り返し同じ事しかしないでおいて、事態が好転しないのを不思議がるなんて。
  本当にどうかしている。

 ホーは、部屋を出て新しいチーズを探しに行きました。

 ヘムは、出てきません。
 「出かけてチーズが無かったらどうする。
  待っていればチーズは部屋に戻ってくるはずだ。

 ヘムは、恐怖で動けなくなっていました。

 ホーは、勇気を奮い起こして部屋から出たもののチーズは見つかりません。
 たまに欠片のようなチーズが拾えるだけでした。

 不意に新しい地域に繋がる暗い小路こうじを見つけ、こう思いました。
 「もし恐怖が無かったら何をするだろうか?

 ホーは、小路こうじに飛び込み、気がつけば笑みを浮かべていました。
 自分が恐怖を乗り越えた事に気づいたからです。
 そしてこう思いました。

 「人が恐れている事態は、実際は想像するほど悪くはない。
  恐怖を乗り越えれば、楽な気持ちになる。
  なぜ、もっと早くこうしなかったのだろうか。

 恐怖が無くなると想像以上に楽しくなり、自分の好きなあらゆるチーズを想像して楽しみました。

 ほどなくして、新しいチーズの欠片の落ちた部屋に辿り着きます。
 明らかに誰かが食べ尽くした後。
 ホーは、こう思いました。

 「もっと早く見切りをつけていれば、ここでたくさんのチーズを見つける事が出来たのに・・・」』

じょう
じょう

ホーさん、早く報われてくれよ・・・

とは言え、長い間足踏みしていたホーさんのツケがここで回って来ている、という事なのでしょう。

確かに変化を感じていれば元の部屋でチーズを確保しつつ、他の地域に探索へ行けたでしょうから。
これは私たち日本を生きる社会人にも言える事だと思います。
仕事を例に取れば、

「仕事を無くしてから次の仕事を探す」ではなく、
仕事がある内に次の仕事の目星を付けておく」という事でしょう。

中には、既に別のチーズ(副業)を食べている人もいるかもしれません。

ホーの様に苦労したくなけれは、変化(仕事の先行き)を感じ、素早く対応(次の仕事の目星を付ける)をしなければならない訳です。

ただホーは、こうも言っています。

遅れを取っても、何もしないよりいい。

変化を楽しもう!※ネタバレ有

『ホーは、元居た部屋に戻ってきました。
 ヘムに手に入れたチーズの欠片を食べて元気を出してもらうためです。
 しかしヘムは受け取りません。

 「感謝はする。
  だが私は、あのチーズが欲しいんだ。
  変える気はないよ。

 ホーは、がっかりしてまた出かけました。

 しかし、歩き出したホーの気持ちは不思議と晴れていきます。

 自分の幸せが、「ただチーズを手に入れる事」ではない。
 恐怖に駆られていない今、幸せであると思えたからです。

 ホーは、思いました。

 「チーズが無いままでいるより、迷路に出て探した方が安全だ

 ホーは過去を捨て去り、いっそう力強く速いスピードで迷路を進みます。

 しかし、求めるチーズは永遠に見つからないと思われたその時。

 元居た部屋とは比べ物にならないぐらい、山のようなチーズが積まれた部屋を見つけました。
 部屋の中では、スニッフとスカリーが手を振っています。
 でっぷり出たお腹が、彼らがずいぶん前から居た事を物語っていました。

 すぐさまホーは、チーズにかぶり付き一言。

 「変化、ばんざい!」』

じょう
じょう

ホーさんは、無事報われました!

ここでの教訓は、明らかです。

チーズが無いまま、行動しないヘムと行動したホーで明らかな明暗が分かれています

まだ結果が出ず、行動している途中のホーでさえ、恐怖に駆られなくなっていたのですから、行動しない理由がありません。

じょう
じょう

確かに私も転職の面接を受けてからは

会社で恐怖を感じる事は無くなった気がします。

なお、スニッフとスカリーは、とっくの昔についていた事を考えると、著者の言い分としては
「変化を感じて素早く行動しろ」
という所でしょうか。

私としては、頭に「チーズ(仕事)がある内に」も付けたいです。
やっぱり生活に余裕が無いと詐欺とかにも引っ掛かりやすくなっちゃいますしね。

また、尺の都合で省きましたがホーは、行く先々にヘムに向けたメッセージを書き残しながら進んでいました。

なのでヘムも思い立てば、苦労はするでしょうが同じチーズ山盛りの部屋に行ける訳です。

ここでもホーの言葉が効いてきます。

遅れを取っても、何もしないよりいい。

進んで素早く変わり、再びそれを楽しもう※ネタバレ有

『ホーは、今までの教訓を思い返していました。

 最大の障害は自分自身であり、自分が変わらなければ好転しない。
 そして最も大事な事は、常に新しいチーズがどこかにあるという事。

 しかし安心している場合ではありません。

 ホーは、毎日部屋とチーズの変化を確認しています。
 チーズはまだありましたが、しばしば迷路に出ていき、常に周囲で起きている事にも注意していました。

 どんな選択肢があるのか知っていた方が居心地のいい居場所に閉じこもっているより安全だとわかっていたからです。

 不意にホーが何かを感じます。
 「・・・外で何かが聞こえる。
  こちらに誰かが近づいてくるようだ。」

 旧友であることをホーは祈りました。』

じょう
じょう

同じ轍は踏まない我らがホーさんです!

ここは、最初の「変化は起きる」とは対照的ですね。

変化に目を配り、常に複数の選択肢を持っておこうという意識が見られます。

ホーは、もしここのチーズが無くなってもすぐに次のチーズを見つけられることでしょう。

おわりに

皆さんは、4名の内の誰に近かったでしょうか?

誰がどの人間に当てはまるかは、以下の通り。

  1. 変化を素早く察知して行動する人間
    →スニッフ
  2. 変化に行動を持って対応する人間
    →スカリー
  3. 変化を恐れ、行動せず不幸になる人間
    →ヘム
  4. 変化への恐怖を克服して、前に進む人間
    →ホー

と言っても私の記事では、スニッフとスカリーにほぼ違いはありませんでしたが、原作ではしっかり書き分けられています。

流れだけを追うため、より深い教訓が含まれている部分も省略してしまっていますので、興味がある方は是非原作を読まれる事をオススメします。

なお私の中はヘムだらけでしたが、最近ようやく少しホーが増えたかな?といった所です。

自分が誰に近いと思ったかを、コメントや私のツイッターにリプライして頂けると嬉しいです。

以上です。

読んで頂き、ありがとうございました!

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