「今の仕事は、つまらないけど会社の外に自分の居場所なんてある訳ないよなぁ。」
「私が何かすると、いつも不幸が起きる・・・何もしない方がいいんだ。」
そんな風に自分を押さえつけてしまう方にはオススメの本です。
この本を読めば、こんな事が学べます。
- 自分を押さえつけている物の正体がわかる。
- マイナスな考え方を変える方法がわかる。
Amazon史上最大の大ベストセラーである『チーズはどこへ消えた?』の続編に当たります。
続きがあると知って、すぐにポチってしまいました。
著者は同じくスペンサー・ジョンソン氏。
本書をすい臓がんに蝕まれながらも書き上げ、遺作として世に出しております。
今回のお話は、前作で一人取り残されたヘムについてのお話。
彼が救われるための物語です。
※本記事は、私の主観とネタバレ要素を多く含みます。
本書を読まれる予定がある方は、そっとブラウザバックをお願いいたします。
あらすじ
前作の概要はこちらから。
『ホーのチーズを断ったヘム。
しかしその内、「ホーが恐ろしい目に会っていやしないか・・・」と心配になります。
ついには「僕はどうして一緒に行かなかったんだろう」と後悔し始めました。
もちろん、ヘム自身の事態も一向に好転しません。
とうとうヘムは、部屋から出て迷路へ踏み出す事となり・・・』
実はヘム、友達想いのいい奴でした!
前作、ヘムだけが救われませんでした。
それは、彼が変わる事を拒んだからです。
しかし、彼は誰の心の中にもいます。
「コロナ禍だけど、ZOOMとか良くわからないから会議室で打ち合わせな。」
「血糖値高いけど、食生活を変えるのは…美味しい物を食べてる時だけが幸せだし…」
こんな人は、少なくないはず。
私も「自分は、どうせ何をやっても上手く行かない。」と考えていた事があります。
彼を悪者のままにしていては、私たちは完全に自分を肯定出来ないのではないかと思います。
そんな彼が救われる物語をご覧頂ければと思います。
チーズ以外は食べ物じゃない。※ネタバレ有
『ヘムは出発する際に、わかっている真実を3つ、メモに書き留めました。
- 新しいチーズを見つけなければ死ぬ。
- 迷路の暗がりや袋小路は危険
- 全ては自分でなんとかしなければならない。
わかっている事が整理できるとなんだか落ち着いてきます。
しかしいくら歩いてもチーズは一向に見つかりません。
空腹で倒れてしまいそうな時、ホープという小人に出会います。
彼女は、ヘムの様子を見て赤くて丸い物を差し出しました。
それが何かわからない彼は、食べようとしません。
「それはチーズじゃない。そんな赤い石を食べられる訳がないじゃないか。」
そう跳ねのけるも、赤い石からは甘い匂いがします。
ヘムは、空腹に耐えきれずその赤い石・・・リンゴを食べ、生きながらえる事になります。
ホープは言いました。
「あなたは、自分が思っているよりずっと多くの事が出来るのよ。」』
ヘムの初めての変化です。
絶対に出来ないと思った事でもやってみたら出来た、何てことは良くある事です。
私も小さいながら、いくつか経験があります。
- 小さい頃苦手だったトマトを食べてみたら、美味しかった。
- わーどぷれすってなに?ぐらいの知識からブログを立ち上げられた。
- 国語の成績は万年2でしたが、拙いながらも記事を投稿出来た。
やってみなきゃ出来ないかどうかはわからない訳です。
小さなきっかけかもしれませんが、ヘムはここから変わっていきます。
信念とは、自分が『真実だ』と信じる考えの事である。※ネタバレ有
『ホープは、この近くのリンゴが出てくる部屋に住んでおり、最近はリンゴが出てこなくなって困っているのだと言う。
ヘムは、貴重なリンゴをくれた彼女にお礼を言うと、二人は一緒に迷路へチーズとリンゴを探しに出かける事になりました。
「チーズを見つけたければ、とにかく頑張る事さ!」
ヘムは、そう言って暗がりや袋小路は避けて安全な場所を注意深く探しました。
しかし一向にチーズもリンゴも見つかりません。
元の場所に戻ってきた時には、疲れ切っていました。
ふと壁を見ると、ホーの文字でこう書かれていました。
「古い考え方をしていては、新しいチーズは見つからない」
これを見てホープは、言いました。
「私たち、新しい考えを試してみたらどうかしら?
頑張るだけじゃ、上手く行ってないわよね?」
ヘムは、自信を無くしていました。
「やっぱり僕の考えが間違っていたんだ。
あの時、ホーと一緒に出掛けるべきだったんだ。」
その時、ヘムはハッとしました。
ホーの言う「古い考え方」とは、今の自分の考え方の事ではないか?
ヘムは、気づいた事を壁に書き付けました。
「信念とは、自分が『真実だ』と信じる考えの事である。」
信念とは、一つの考えにすぎなくても、それがどれほど大きない力を持つものか。
ヘムは、信念の力により元の部屋に囚人の様に囚われていた事を思い出します。
また、壁に書き付けました。
「古い信念はあなたを囚人にしかねない。」
しかしすべての信念がそうではない。
彼は空腹で倒れそうな時、目の前の小人が差し出してくれた赤い石を食べれると信じました。
「彼女を信じる」という考えを信じ、生きながらえました。
また、壁に書き付けました。
「あなたの足を引っ張る信念がある。
あなたを向上させる信念もある。」
では、どのような信念でチーズとリンゴを探せばよいのか。
迷路の中で安全に探せる場所は全て探しています。
これ以上探すのは不可能です。
「・・・この不可能は、信念ではないのか?
だとしたら、変える事が出来るのではないか?」
壁に書き付けました。
「あなたが信じられる事に限界はない。」
ホープが言います。
「迷路の中はもう全て探したわよね?
迷路の外には、何があるのかしら?」』
ヘムは元いた部屋の囚人ではなく、迷路の囚人でした。
「信念とは、自分が『真実だ』と信じる考えの事である。」
ここが本書で一番の学びだと私は考えています。
私たちを時折押さえつけるものの正体、それは「信念」です。
私たちは様々な「信念」を持っています。
例えば、以下のようなものです。
- 今の会社以上の居場所は無い。
- 人から嫌われてはいけない。
- ジョジョは4部が一番面白い。
別にこれらを否定する訳ではありません。
しかし、自分が不幸になるような考えであれば、信じる必要はないのです。
先ほどの例から考える「迷路の外」は、こんな感じでしょうか。
- 転職活動してみれば、もっと好条件の職場があるかもしれない。
夢中になれる仕事もあるかもしれない。 - 自分が不幸になるぐらいなら、嫌われた方がマシ。
不必要に相手を傷つけていないなら、堂々としていればいい。 - いや2部が一番面白いだろ、いい加減にしろ!
また、これらの考えは書籍やYoutubeなどのメディアから知る事も出来ます。
新しい考えを試し、真実だと思える程の実感を得られた時、それは信念になるのではないでしょうか。
ここからヘムの「新しい考え」が「信念」に変わります。
※私は「信念」という言葉に若干の違和感を覚えました。
原書の単語は「Belief」であり、直訳で「信念」なので当然誤訳ではありません。
しかし私と同じく違和感が強い人は、「固定観念」「常識」等の他の言葉に置き換えてみるのも手かもしれません。
あるかどうかわからなくても、あると信じなければならない時もある※ネタバレ有
『「迷路の外だって?そんなものある訳がない!想像もできない!」
ヘムは、そう言い切った所で気が付きます。
もしかしてこれも・・・
二人は見つめ合い、声をそろえて言いました。
「「あなたが真実だと信じる考えが信念!」」
ヘムは、「迷路の外がない」という信念がある事に気が付き、同時にこれは自分の足を引っ張る信念であると思いました。
しかしそれがわかった所で、ヘムには迷路の外が全く想像できません。
見たこともないのですから、当然です。
ホープが言います。
「まず、迷路の外があると信じてみたらどうかしら?
そうすれば、きっと見えてくるんじゃないかしら」
馬鹿げた事を・・・と思いかけたヘムですが、自分が信じられる事に限界が無いのならやってみようと思いました。
「迷路の外には、素晴らしいものがある」
そう声に出すと、なんだか信じられるような気がしました。
ヘムは、また気づいた事を壁に書き付けました。
「あるかどうかわからなくても、あると信じなければならない時もある」
二人は、「迷路の外にあるもの」を探しに出掛けました。
とは言え既に安全に探せる場所は、全て回ってしまっています。
残る場所は、危険な暗がりと袋小路。
するとホープが言いました。
「暗がりは、そんなに危険な場所なのかしら。
壁の燭台を持っていけば、暗がりじゃなくなるじゃない。」
二人は暗がりまで行き、燭台で奥の方まで照らすとそこは袋小路でした。
「だめだ、袋小路だ。」とヘム。
「そうね、でも暗がりは暗がりじゃなくなった。
袋小路も行ってみなきゃ本当に袋小路かわからないわ。」
ヘムは良い考えだと思い、信じて、信念に変わるかどうか見てみようと思いました。
二人は、そろそろと袋小路に入って行きましたが怖くて怖くてたまりません。
子供の頃から危険だと言われていた場所です。
しかしその時ヘムは思いました。
「自分が考えた事を全て信じる必要はない」
二人は、歩き続け袋小路を調べ始めると、屈んでようやく入れるぐらいの穴がありました。
そこからは、冷たく新鮮な空気が漂っていました。
二人は穴の中を進みます。
やがて光が見えてきました。
そして・・・』
ホープさんは、考え方が超絶マッチョです。
新しい考えを信じて、試し続けるのは本当に大変な事です。
しかしヘムには「ホープ」が居ました。
私たちにも、新しい考えに「希望」があるはずです。
「希望」があるから、新しい考えを信じたいと思ったはずです。
「希望」に手を引かれて、「自分の足を引っ張る信念への不満」に背中を押してもらえば、きっと「迷路の外」へ行けるのではないかと、私は思います。
迷路の外には、何がある?※ネタバレ有
『穴を抜けると、見た事もないほどの光の中に出ました。
やがて目が慣れてくると、そこには見渡す限りの草の絨毯が。
風を感じて、上を見上ます。
とても高く、とても青く、とてもまぶしい。
ふとポケットに手をやると、メモに触れました。
ヘムは、それを見て笑ってしまいました。
- 新しいチーズを見つけなければ死ぬ。
- 迷路の暗がりや袋小路は危険
- 全ては自分でなんとかしなければならない。
過去の自分の考えに、何一つ真実は無かったのです。
リンゴを食べて生き延び、暗がりと袋小路は危険ではなく、ホープと二人でここまで来ました。
「迷路の外には、素晴らしいものがある」
この考えは、ヘムの中で信念となったのです。
二人は、辺りを探索するとたくさんのチーズとリンゴを見つけました。
ここにホーも一緒だったら・・・
そう思っていると遠くからヘムを呼ぶ声が。
そこには・・・』
これ以上書くと、長すぎて最早要約でもなんでもないので、続きは原作でどうぞ!
やっとヘムが救われました。
「古い考え」に真実は一つもなかった訳です。
私たちの信念にも、実は真実でない事があるでしょう。
真実は変わっていきますしね。
昔は、銀行に預けているだけで増えたお金が、今では金利の引き下げで見る影もありません。
この前、振り込まれた銀行預金の利息は、ワンコインでした。
コインの種類は、ご想像にお任せします。
私たちは、常に新しい考えを試して行かなければならないのかもしれません。
おわりに
今回、かなり省略した方ですが、それでも大事な所が多すぎてかなり長くなってしまいました。
ここまで読んで頂いた方は、本当にお疲れ様でした。
なお最後の方には、ジョンソン氏から腫瘍へ向けた「私の腫瘍への手紙」が記載されており、本書における学びの究極の形が見れます。
本記事は私の主観が大いに入っていますが、皆さんが原作を読めばまた違った学びがあると思います。
是非原作を読むことをオススメします。
以上です。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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